古来からの贈り物「チーズ」

現在から5000年以上も前のエジプトでは、ナイル川のほとりに、緑豊かな文明が、繁栄していたようです。

ですがナイル川が氾濫するたびに人々は、住居や食料を失うことから、たくさんの食物を蓄えておく知恵を身につけました。また、戦争などの争いの絶えなかったエジプト人は、たくさんの食料を蓄えておく必要がありました。そのために魚を干して「干物」にしたり、お肉を天日で干し「干し肉」にしたり、焚き火の煙で食物を燻して多くの食べ物を「燻製」にしていたようです。

皆さんもご存知の、エジプトのピラミッドには、「ミイラ」が発見されています。ある意味ミイラも、死んだ人を保存しておく保存の技術の1つであると言えるのではないでしょうか。

このように古代エジプトの人々は、「保存」をするという知恵を持った高い文明をもつ人々であったようです。現在「保存食」と呼ばれるものには、チーズ、ヨーグルト、ハム、ベーコン、ソーセージ、干し魚、干し芋、干し柿、パスタなどがあげられますが、その中でも「チーズ」は、今から3000年以上も前から食べられていたもののようです。チーズはアジア西部で発明された、などと言われていますが、この技術は、生き物の胃の中にある「酵素」を使って、腐りやすい牛やヤギなどの乳を保存したものになります。

現代において私たちが食べているチーズも、製造過程においては簡素化、さらに機械化などにより大量生産が可能ととなっていますが、牛やヤギなどの乳からチーズが作られる原理は、古来から変わっていません。

現在から3000年も前の遥か昔に、偶然にも発見されたであろう保存食のチーズが、現在の私たちの生活をも豊かにしてくれているとは、何とも不思議な気持ちになりますね。

           

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