ユニークな「モニ族」たちの不思議

オーストラリアの北にある、ニューギニア島は、赤道付近にある大きな島として知られています。

この島の高地には、「モニ族」と呼ばれる少数民族が暮らしています。彼らは、生きているニューギニアの高地人」などと呼ばれ、その暮らしぶりを特集した記事などをみていると、人間にとっての「文明」とは、いったいどんな価値があるものなのだろうかと考えさせられるものがあります。

モニ族たちは、「イモ類」を主食としているようなのですが、その調理の方法はユニークで、地面に大きな穴を掘り、穴の中にイモ類や野菜などを放り込み、たき火などで熱した石を、イモ類などが入った穴に放り込みます。

さらに大きな葉っぱでその穴にフタをして、さらにその上に土を被せ、数10分間放置しておくと、なんと蒸し焼き料理が出来上がるのだそうです。

このモニ族が住んでいる赤道付近のニューギニア島では、一年中気候がほとんど変わらないため、主食のイモ類は一年中、食料として十分に収穫できすのだそうです。食料の不足や、飢えなどの心配がほとんどないモニ族たちの暮らしぶりは、本当に現代を生きる私達にとっては不思議な光景です。

日本もそうですが、世界各地では、長い歴史の中で、人々が経験した、干ばつや、冷害、洪水などの自然災害から、食物が不足しないよう、人々はその対策として「保存食」を蓄え、様々な文明的な暮らしを構築してきました。その反面、一年中、いつでも身近な環境に、食料が確保できるモニ族は、「保存食」などの蓄えをもたないようです。

その暮らしぶりは、「生きている石器時代」などと称されるほど、文明をもたない生活のですが、人々は、健やかに生活をしているそうなのです。

文明をもつ「現代人」と呼ばれる私達の暮らしには、多くの文明的な暮らしに包まれています。先人たちも、保存食生み出し、現代においても、干し芋、干し柿、干し魚、ハム、ソーセージ、チーズ、ヨーグルトなどは、必要不可欠な食料として流通されています。

先人たちが「知恵」として生み出してきた「保存食」は、全て生命の「危機」から生み出されてきたものなのかと思うと、なんとも考え深い気持ちになります。

           

食べ物こぼれ話TOP